What Listening Means (聴き取るとは)

いきなりですが、まずは音量に注意して、次の米語を聴いてみてください。

何と言っているか、そして何を意味するか分かりますか?

大半の方には「ケイ、ガラゴウ」と聞こえるはずです。そしてそれが何を
意味するか、分かる由もありません。それで当然です。文字にすれば、
K, gotta go.となります。まだ分かりませんよね。これはかなり砕けた
且つ省略された形で、本来はOK, I have to go.となるべきものです。
OK→Kになり、I have to go.→I've got to go.→I've gotta go.
→I gotta go.→gotta go.と変化、省略されています。意味としては
「オッケー、もう行かなきゃ」くらいですね。

以上の説明を読んで頭に留めた方は、次に「ケイ、ガラゴウ」を耳にした
時、意味を理解することができます。ところがその過程に出会えない人は、
永遠に「ケイ、ガラゴウ」の意味を理解することができません。ここに未だに
世間で耳目に触れる、「聞き流し」という学習法の最大の欠陥があると
言えます。ただ耳に入れたところで、意味が分からなければ何の意味もない。
例えば主婦の方が炊事をしながら「聞き流し」を行ったところで、一体
どれだけ得るものがあるというのでしょう。延々とお経を右の耳から入れて、
左の耳から出し続けるのみなのです。

英語圏に滞在すると、英語を「聞き覚える」ことができます。これは前述の
聞き流しとは全く異なることにお気づきでしょうか。そう、そこには言葉
のみならず、「言葉が使われる状況」が存在しているのです。友人とカフェで
楽しく過ごし、いい時間になりました。すると一人が時計を見て、「ケイ、
ガラゴウ」と言いながら席を立ちます。その状況を目にしながら英語を耳に
することにより、「ああ、帰る時に使う表現なんだな」と理解できるわけです。

耳には知識が必要です。理解なきリスニングはリスニングにあらず、まさに
耳にしているだけのヒアリングでしょう。そして人間には自分が耳にしたこと
を、自分の知識と結び付けようとする習性があります。即ち、耳にした外国語
を自分の母国語の知識とつなげてしまうのです。好転するかどうかは運次第、
そういったところでしょうか。笑いが生まれることはありますけどね。


こちらは聴き取れましたか?そう、「自由の女神」を表すthe statue of
libertyですね。過去授業中にこんなことがありました。英語を話すにはいわゆる
一般常識が山ほど必要。よって私の授業中には、多くの知識を問い、また身につけて
もらっています。この国はこれで有名、という初歩的なエクササイズを高校生相手に
行っていた時の話です。ある生徒が「The USA is famous for...自由の女神って
何て言うんですか?」と聞いてきたので、「The statue of liberty」(音声ファイル
参照)と答えました。すると「おお~、オーケー、オーケー!The USA is famous for
スタジオジブリ!」とドヤ顔で言い放ったのです。これなどまさにいい例ですよね。
果たして自由の女神=スタジオジブリとなり得るのか?知識と共に考えるという習慣も、
英語を聴き取り、また話すためには必須であることは言うまでもありません。

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